一流メーカー製のコントローラなら必ず成功か?
誰でも初めての仕事に取り組むときは、安物より高価格・高機能な機器を選び、失敗しないよう心掛ける。
かく言う、私も7年前初めて手がけたデマンドコントロールシステムは一流メーカー製のパルス変換器とコントローラを使った。
パルス変換器10数万円、コントローラ20数万円と、今思うと高価なシステムだった。
幸い、業務用電力の400kW規模の施設だったので2年以内に償却でき、お客さんに喜んで頂いた。
その後、より規模の小さな事業所で取り組みを進めていく中、システムのローコスト化が必要になり、
高価なコントローラに替えて、2〜3万円で手に入る汎用シーケンサを使うことを思いついた。
また、一流メーカー製も含め一般的なデマンドコントローラの持つ、次のような弱点に気がついた。
- 30分単位で制御するため、熱容量の小さい空冷式エアコンを長時間止めると、すぐ室温が変動してしまう。
- 0分、30分の時限直前に抑制信号が出ると、エアコンのコンプレッサを停止させた直後に復旧するため、高圧側圧力が高いままコンプレッサを再起動させ、傷めてしまう。(※最近のエアコンは再始動遅延対策ができている。)
時々、高価なデマンドコントロールシステムを導入しながら休止状態になっている施設へ救援に出かけることがあるが、一流メーカー製だから間違いないだろうと安易に導入されたが、これら弱点の対策ができていない施設がほとんどだった。
時分割制御方式(特開2004-215351)とは?
一般的なデマンドコントローラが持つこの弱点を克服するためには、シーケンサを付加して運転タイミングを調整する必要があるが、私は、デマンド電力を計測する時間(30分)をいくつかに分割し、その分割した時間帯単位でコントロールすることを思いついた。
そうすれば、制御対象機器ごとに分割した各時間帯を制御するかしないか設定して、熱容量の小さな機器の長時間休止が避けられ、おまけに、コンプレッサを一度運転休止させたら、最低その時間帯は再起動させないのでコンプレッサの保護も可能になった。
この『時分割制御方式』のおかげで、メーカー製にないきめ細かい制御が可能になり、あらゆる施設への導入が進んでいる。
例えば、リスクがあるのでデマコン専門業者でも手がけ無かった食品スーパーの冷凍機さえ簡単に制御出来るようになった。
まず、年間最大デマンド電力発生状況を知ること
多くの高圧受電事業所で電力モニタリングを始めてから、どの事業所も年に1、2回しか起きないタイミングやアクシデントで、年間最大デマンド電力(契約電力)が発生して、割高な基本料金を支払っていることが解ってきた。
デマンドコントローラを設置してデマンド電力を常時監視し、「超過予測警報」を出すだけでも、少しは抑えらると思う。
ただ、概して最大電力が発生するときは忙しくて余裕のない時なので、手動操作では失敗することも多い。
電力会社が自動コントロールでないと契約電力の見直しに応じないのは、手動制御が失敗し易いからだ。